文学部西洋史コース
「知恵の何たるかを読むことによって学べ」
文学部西洋史コースは専任教員4名(中世1、近現代3)での構成(※)ですが、文化構想学部専任教員や非常勤教員との緊密な連携のもと、古代(オリエント世界を含む)から近現代、地域的にもイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシアなどは言うまでもなく広くヨーロッパ世界をカヴァーする教員を擁しており、その規模は日本でトップクラスです。そして学生は興味・関心にしたがって自由に学習することができます。
※ 2024年度は一時的に専任教員3名(中世1、近現代2)となります。
さて、歴史学とは「どのようなプロセスを経て私たちは今いる場に存在するのか」を研究する学問です。高等学校で学ぶ「世界史」は確かに重要な基礎にはなります。しかし、歴史学は決して暗記科目ではなく、史料に基づいて事実を正確に把握し、その上に立って考える創造的な学問です。とくに日本社会は、その近代化にあたり西洋のモデルを取り入れてきたのであり、欧米の文化・歴史を学ぶことは結局私たちの文化・歴史を知ることでもあります。しかも現在、世界は一体化し、世界の人々と実際に交渉をもつ機会は格段に増えてきています。その意味からも、世界のいまとその多様な成り立ちの歴史とを比較の視点を持って考えることはますます重要になるでしょう。
*文学学術院ホームページにも西洋史コース案内・Q&Aなどが掲載されています。
*コース設置科目については早稲田大学シラバス検索をご覧ください。(「学部」のプルダウンメニューにて「文」を選択後、「科目管理主体」で「西史コース」を選択してください。)
文学部 教員
教授
19~20世紀のドイツの政治史・社会史を研究しています。中世以来、小国の寄り合い所帯だったドイツは、統一を実現して世界の強国へと変貌し、そしてこんにちへと至る過程で、周辺地域のみならず世界史全般に大きな爪痕を残しました。ドイツの歩みをた どりながら、世界と日本の歴史を考えてみたいと思います。
教授
専門はヨーロッパ中世史、とくに教会史と文化史。ヨーロッパ中世に生きた人々の心のありようを解明することが目標です。わたしたち日本人は、政治、経済、社会のあらゆる領域で西洋を手本にして来ました。ですから西洋史を学ぶことは、日本人が模倣し同化してきた西洋文明の根幹を知ることといえます。自分たちの世界を知るためにも、ヨーロッパの古い歴史を勉強することはとても意味があるといえます。
教授
専攻はイギリス近現代史。早稲田はイギリスに関する資料の宝庫。ともに学べるのを楽しみにしています。「ロンドンに厭きた人は人生に厭きた人である」という諺がありますが、これをイギリスと置き換えてもよいかも知れません。どんな興味・関心を持つ人にでも英国はなにかを与えてくれます。とりわけ長い歴史を誇る英国は多くの史家によって描かれてきました。一緒にイギリス史を学びましょう。また私自身、留学時代の3年を含め英国在住はすでに5年近くになりました。この期間で得た実体験もおりおり話したいと思います。
文化構想学部 西洋史関連科目 専任教員
教授
私の研究テーマは、ローマ帝国史です。これまでは特に3世紀の軍人皇帝時代の政治や軍事のことなどを研究してきました。また同じ時代に大流行したミトラス教にも関心をもっています。ローマ史の研究は、学ぶべき語学が多いなど大変な面もありますが、やりがいはあります。関心のある方は、ぜひ挑戦してみてください。
教授
かつて1990年代の東欧では、ユーゴスラヴィア内戦にみるように民族紛争が多発し、流血の惨事が続いていました。なぜ、東欧の人々は自らの民族や国民のために命を賭してまで戦える のでしょうか。民族や国民は、いつから、その原理の名のもとに人々を戦争に動員できるほどの政治集団として認識されるようになったのでしょうか。このような問題意識のもとに、 スロヴァキア・ハンガリー・ハプスブルク帝国史を始めとする東欧近世・近代史を研究しています。